春野行政書士事務所の
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2022.3.22
救護義務違反について
交通事故後遺障害異議申し立て專門事務所の春野です。
数日前に、こんなニュースが報道されました。

大阪弁護士会所属の弁護士さんが、無免許運転で交通事故をおこし、逮捕されたというのです。全くもって、残念なニュースです。
法律を守ることの大切さを誰よりも理解しているはずの法律のプロであっても、このような報道がでるのはビックリとしかいいようがありませんが、どうして無免許だったのかと言えば、数年前に事故を起こしたにもかかわらず、救護義務違反を犯したから、のようです。
救護義務違反=ひき逃げ、です。
事故の原因をつくって、相手の方にケガをさせたにもかかわらず、放置してその場を立ち去るという、ことです。
行政罰としては、免許の点数が35点、刑事罰としては10年以下の懲役100万円以下の罰金、が定められていて、非常に重い罪だとわかります。免許が取り消しになる理由がわかります。
では、救護義務違反があったことで、実際の損害賠償にはどのような影響があるでしょうか?
損害賠償と救護義務違反
事故の被害者の方には、ひき逃げをした加害者が負う行政罰や刑事罰にも関心があるのは当然ですが、一番大事なのは、民事分野である損害賠償でしょう。
どのような影響があるのでしょうか?
被害者にも一定の責任割合があるような事故の場合、その割合が何%なのか、というのは、被害者にとって非常に大きな問題となりえます。
例えば、加害者が90%被害者が10%程度の責任がある事故である場合で、加害者側の救護義務違反があった場合、どうなるでしょうか?
被害者側の感覚からすれば、仮に10%程度あるとしても、救護義務違反されたのだから、相手が全部悪い、すべての責任を負うべきだと思うのが当然かもしれません。
しかしながら、救護義務違反自体は、責任割合には直接影響を与えることはありません。責任割合は、あくまでその事故の原因に対する責任の分担なので、事故が生じた後に生じた事柄・事象まで考慮に入れるものではないからです。
もちろん、救護義務違反を怠ったため、損害(被害者のけが)を拡大させたなどの理由があれば、それは考慮されるに値しますが、それでも責任割合の話に含められることはありません。
実際そのような場合には、慰謝料の増額というかたちで処理される場合が多いようです。
被害者の感情の問題はなお残る
ひき逃げは、卑劣な行動です。被害者のケガがそれほど重たくなかった場合も当然ですが、入院や手術を余儀なくされるような大ケガを負わされたときの、加害者による救護義務違反は、被害者側に大きな悲しみや加害者への処罰感情を残します。
それを誰よりもご存知のはずだった、法律の専門家である弁護士さんが、ひき逃げ犯になるだけでなく、その後無免許で運転をし続けあとに、事故を犯し、その上でもう一度逃亡しようとしたのですから、「一体彼に何があったんだろう」と思わざるを得ません。仮に無免許なら、仕事の移動などには、タクシーを使えばいいのですから。
弁護士、司法書士、行政書士など法律を扱うものすべてが聖人君子などと言うつもりは全くありませんが、ふとしたことから道を誤らないようにしなければと思わせられるニュースでした。
後遺障害異議申し立て専門事務所 春野行政書士事務所