春野行政書士事務所の
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2023.7.26
ビッグモーターと保険会社の闇
このブログでも以前取り上げましたが、ここ数日ビッグモーターの保険金詐欺事件が大きく報道されています。
前回報道されたときは、まだ第三者委員会が立ち上がっていなかった段階でしたが、聴取した内容もまとまり、詐欺があったことは事実としての今回の報道です。
ビッグモーターはさることながら、私自身が、大手任意保険担当者としての経験があることもあり、もし大手損保3社(損保ジャパン、東京海上、三井住友)が、この巨大な詐欺に組織的に関与していたということがあれば、保険業界そのものへの信頼を根幹から揺るがす、とんでもない事件です。
本当は必要のない修理代を保険金として請求し(ビッグモーター)、それを知りながら、ビッグモーターが大変大きな保険代理店であることに忖度し、支払っていた(各損保会社)となると、その詐欺の被害者は、まさしく保険料を支払っている個々の保険契約者にほかなりません。
保険会社が最も忌み嫌う行動に、この「保険金詐欺」です。私の担当時代も、怪我をしたという本人であれ、悪徳修理工場であれ、これは怪しいと感じる案件に対しては、徹底的に費用と時間をかけて、調べ上げ、詐欺でないかどうかを調べあげるのをみたとき、保険会社としての意地やプライドを感じたものです。
しかし…、それはあくまで詐欺に加担しているであろう相手が、一個人であったり、一修理工場であったりする場合にしか当てはまらない、と思わせるのが今回の事件です。
詐欺への加担が、一修理工場ではなく、保険会社の売上の上得意様である巨大保険代理店だったとしたら。ビッグモーターの詐欺を明らかにして、制裁を加えると、自分たちの売上が消えかねない。そう保険会社の上層部が考え、見て見ぬふりを決め込んでいたとしたら。
恐ろしいとしか言えないですね。
今回起こったことは決して許されるべき問題ではありませんが、保険会社勤務経験があるものからすれば、「ありえなくはないだろう」というのが、正直な印象です。
詐欺などあってはならない。
反論の余地はありません。かなり広く行われていたようなので、同じような請求が保険会社に上がってきていたことを考えると、本当に全く気づかなかったんでしょうか。
個人的には、保険会社も限りなくクロに近いと考えています。
それにしても、ビッグモーターの社長の会見は「知らぬ存ぜぬ」の一点張り。あれだけ多くの証言がありながら、役員レベルが誰も知らなかったなんて、本当にありえるんですかね。
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