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春野行政書士事務所の
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2023.2.13

「事故でヘルニアになりました」

交通事故の中で最も多いおケガの中に、頸椎打撲・腰部捻挫、など、いわゆるムチウチ症状があります。

具体的症状としては、首や腰の痛み、そして手足のしびれなどです。

特に手足のしびれの訴えが強い場合、医師からレントゲンに加え、MRIの撮影をすすめられることがあります。

その検査結果の後に、よく目にするのが、「ヘルニア」「脊柱菅狭窄症」といった傷病名です。

ヘルニアと聞くと、なにかとても恐ろしいケガ(病気)なのではないか、と心配されることも多い事に加え、それが事故後に感じた症状と結び付けられることから、事故でヘルニアや脊柱菅狭窄症になったと感じられる方がおられます。

中には、医師がそのように言ったという被害者の方もおられます。

事故の衝撃でヘルニアになりえる!?

医学的・科学的になにかについて答えを出す、断定的な結論を導くというのは、非常に難易度が高いこととされているようです。

しかし、ヘルニアが、よくある単純な追突事故の衝撃のみで引き起こされるかということに関しては、その可能性は限りなくゼロなのだそうです。

様々な動物実験も行われたようですが(人間ではできないですね)、通常考えられる衝撃レベルでは、ヘルニアになる証拠は見つけられませんでした。

ヘルニアをおもちの方で、MRIの画像結果の説明を医師からうけたことのある方であれば、おわかりかもしれませんが、首や腰の太い神経の部分が、椎間板の圧迫されている様子が写し出されています。

あのプクッとした膨らみが、事故の衝撃のものではないとしたら、一体なんだというのでしょうか?

その答えは、「事故前からもともとヘルニアを持っていた」ということになります。そもそも首から腰までの脊椎部分は、体の幹と呼べる重要な部分ですが、積み木を積み上げたように垂直にそびえていますが、時間が経ってくると、体のクセや老化、生活習慣などにより、本来ある形からだんだんずれてしまうようです。その一つの結果が、頸部や腰部のヘルニアです。

とはいっても、事故後にはじめて症状を感じたと皆さんおっしゃいます。

そこで、合理的な説明としては、事故前からもととも持っていた無症状のヘルニアが、事故の衝撃を契機として、症状となって現れた、ということになるのです。

もともと、そうなり得る”爆弾をお体に抱えておられた”ということなんですね。

後遺障害の申請実務におけるヘルニア

後遺障害の申請実務においては、ヘルニアや脊柱菅狭窄症などの症状はどのように評価されるのでしょうか?

「ヘルニアだから後遺障害ですよね?」とおっしゃる被害者の方は沢山おられますが、前述のように、人間の体は複雑極まりなく、何が原因でこうなった、という因果関係を突き詰めることは非常に難しいです。

そこで、ヘルニアだから後遺障害、という単純な図式ではないということがご理解いただけると思います。

実際、ヘルニアであっても後遺障害として認定されないケースは沢山あります。申請には細心の注意を払う必要があるでしょう。

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