春野行政書士事務所の
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2023.1.17
自賠責保険・共済紛争処理機構とは?

「自賠責保険・共済紛争処理機構」という名前を聞かれたことがある方は少ないでしょう。
ここは、当事務所が専門としている自賠責保険への請求手続きの”最後の砦”ともいえる機関です。
自賠責保険は、その性格上、公共かつ公平な支払いが約束されておりますが、実務上は、「損害保険料率算出機構」が損害調査を実施することにより、その実効性が保たれています。
一つの保険会社の判断で、支払い内容を決めているわけではなく、第三者機関の審査や確認がなされるわけですね。
しかしながら、それでも自賠責保険の判断が間違ってしまったり、何らかの見落としがあるゆえに、本来支払われなければならないものが、支払われない、という事態も生じえます。
その最たる例が、「後遺障害の等級」に関するものです。
後遺障害の等級認定は、前述しましたように、自賠責保険から審査を委託された「損害保険料率算出機構」が行います。
この判断に納得がいかない被害者は、その決定に対する「異議申立て」(異議申立はあくまで通称です)をします。
問題は、この異議申立にたいする自賠責保険の決定に対して、不服を申し立てることは可能なのか、ということです。
その答えは、今回のテーマである「自賠責保険・共済紛争処理機構」にあります。
自賠責保険の最終的な判断や決定に対して、不服があるとき、書面でさらなる審査を、この機構に請求することができる仕組みがとられています。
自賠責の判断に誤りがないかどうかを審査する
「自賠責保険・共済紛争処理機構」は、自賠責保険会社や損害保険料率算出機構とは別の機関で、自賠責保険の決定に間違いがなかったかどうかを、最終的に判断することを主業務としています。
通常は、自賠責保険への異議申立を経た後に、この機構に申立てすることになっています。
ポイントとしては、この機構の役割は、あくまで「自賠責保険の判断に誤りがなかったかどうか」を精査するということです。
もう少し説明します。
被害者がこちらに申立てをしますと、共済紛争処理機構は、自賠責保険の保有する関係書類一式を精査しなおし、自賠法やその支払基準からみて、手続きに誤りがなかったか調査することになります。
あくまで、自賠責の判断に誤りがなかったかどうかを審査していくのであり、新たな証拠や書類を提出することは原則できません(新証拠があるのであれば、まず自賠責保険への異議申立を選択することになります)。
効果
提出された資料(申請書)や、自賠責保険から借り受けた関係書類一式を、一から精査した後、紛争処理機構としての判断が下ります。
もし、被害者が訴える通りの言い分が認められれば(つまり、自賠責保険の判断が間違っている、という決定がされれば)、その結果が自賠責保険にも通知され、新たな支払いがされることになります。
その逆は、説明するまでもありませんが、いわゆる申立て「棄却」(自賠責は間違っていなかった)という結論になります。
一度、共済紛争処理機構に申立て、その判断が出ますと、これは自賠責保険としての最終結論になります。つまり、その機構の判断の後に、納得がいかないと言って、今度もう一度自賠責保険に異議申立をすることはできなくなります。
自賠責保険・共済紛争処理機構への申立ては、慎重に。
共済紛争処理機構への請求自体の難易度は高くありませんが、裁定結果が出るまでに少なくとも3ヶ月はかかります。
また、その結果が最終的な自賠責保険の決定となり、もう2度と異議申立をできなくなるという性質がありますので、審査を申し立てる方は慎重にするべきだと考えています。
主戦場は、やはり、自賠責保険の異議申立手続きであり、まさにこの申請において、適正な書類づくり、証拠提出を心がける必要があります。
自賠責保険異議申立 春野行政書士事務所