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2022.12.21

【交通事故のお金事情】個人事業主の休業

個人で事業を営んでおられる方はたくさんおられます。

ネットやパソコン関係のお仕事をフリーランスとして受注する、というような話はいたって普通になりました。

個人事業主が交通事故でお怪我をして、その休業を求める場合、自賠責保険ではどのようなルールがあるでしょうか?

個人事業の休業とは?

前回、会社員の休業損害は、会社から発行してもらう「休業損害証明書」をもって、証明してもらうことが基本であると、述べました。

個人事業主はどうしたらよいでしょうか?

休業損害証明書を自分で書く…?わけには、いきません。自分で自分が休んだことを証明することは不可能だからです。証明になりえません。

そこで、自賠責保険では、事故前年度の確定申告書を求めます。

そして、この確定申告の内容から、個人事業であることの確認(会社員の場合の、源泉徴収票)と、一日の平均収入(会社員の場合の、休業損害証明書)の確認をします。

個人事業であることの確認は難しくないですが、一日の平均収入はどのように求めるでしょうか。

これには、確定申告書Bの、「所得金額等」というところの合計の数字をみます。
この数字を、365日で割って、一日平均を出すことになります。

「俺の所得はこんなもんじゃあない」は通じるか

所得金額の欄…をみると、次のような反応をされる個人事業主さんがおられます。

「いや、確かに所得金額はこれだけど…わかるでしょ。個人事業の所得なんて、そんなに信頼できるものじゃない。実際はもっと大きいんですよ」

個人事業の確定申告書あるあると言ってもよいでしょう。

確かに個人事業というのは、個人と事業の財布が一つですので、すべてをきっちり分類するのが難しく、確定申告書の「所得金額」が、会社員でいう「源泉徴収票の総支給額」という感覚ではありません。

しかし、自賠責では、この所得金額を使って計算するということになっています。”本当は”もっと大きな金額であるのなら、その金額が所得金額として記載されている必要があります。

損害を請求するには、根拠となる資料が必要ですが、個人事業の場合は、確定申告書しかありませんから、自賠責保険では、その数字を拾うしかないです。

個人事業に対しても、「定額6,100円」は適用される!

自賠責保険には、会社員であれ個人事業であれ、仕事をしている方の、最低の休業損害は補償するというルールがあります。

それは、休業一日に対し「6,100円」です。

最低6,100円、となっていますので、これより少ない場合は、6,100円まで引き上げられます。

これを確定申告の所得金額に当てはめますと、6,100円×365日=2,226,500円となりますが、これはつまり、所得金額が2,226,500円を超えていなければ、日額6,100円として決まります。

それ以上の年間所得を申告していないと、自賠責では6,100円となります。前述のように、「実際はもっと稼いでいるよ」という方の大半は、結果として、この6,100円に落ち着くことが多いと思います。

所得金額が仮に0円だったとしても、6,100円の補償は受けられる場合がありますので、自賠責は親切だと思います。

しかし、個人事業の休業損害を計算するには、もう一つ大事な要素があります。

それは、何日休んだのか、ということです。個人事業を休むことを証明することはできるでしょうか?
次回は、その点を書きます。

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