春野行政書士事務所の
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2022.5.21
自賠責保険と通院交通費②
自賠責保険手続き専門の行政書士春野です。
自賠責保険が支払う交通費についてです。
非常に質問が多いのは、タクシーを使うのはどうか?です。
タクシー代は支払われるのか?
タクシー代が支払われるためには、次のような条件があります。
① 歩行が難しくなること。
代表的なのは、足の骨折です。松葉杖をつかなければ移動できない場合がこれにあたります。
② 公共交通機関が全くない地域であること。
郊外、もしくは農村部の集落では、バスや電車がそもそも無い地域もあります。
③ 連続してではなく、補助的に支出したものであること
事故直後に一度だけ使用した、時間がなかったので数回使用した、などは、認められる可能性が高いです。
タクシー代の支払は無条件ではありません。被害者に責任がないような、もらい事故では、「俺は被害者なんだから、タクシーでも何でも払ってもらうぞ」という気持ちはわからなくもないですが、実務上、通用しません。
なお、人身事故にするため、警察に呼び出しされ出頭しなければならないときのタクシー代について対象になるか、という質問を受けることもありますが、これはだめです。
自賠責保険は、通院するために支出した交通費に対してしか、支払がなされません。
1キロ15円のガソリン代は安すぎる!?
自家用車、自家用バイクを通院に利用した場合、1キロ15円のガソリン代を請求できます。
昨今の物価上昇の影響もあり、ガソリン価格はあがりまくっています。
「それでも15円なの?」
と、思われるかもしれません。
自賠責保険は、支払基準というものが定めれており、ガソリン代は1キロ15円です。例外はないんですね。
決まっている、ので、ガソリンを支払った時の領収書も不要です。
でも、15円だったら、大きな排気量のクルマや、一昔前のクルマでハイオク車などでしたら、ペイしないと思われます。
ちなみに、本日令和4年5月21日の全国平均がこれです。
レギュラー165 ハイオク176 軽油144.2
https://gogo.gs/ranking/average/
1リットル10キロしか走らないクルマもまだまだあると思いますから、足りませんね。
では、納得いかない場合はどうするか?
これは任意保険会社に請求するしかありません。お使いのクルマが1キロ走行するのに15円以上かかることを証明した上で、責任割合の話も、からんできますが、請求はできます。
まとめ
タクシー代は、金額が高いために、特殊事情がなければ認められません。
燃費が悪いクルマには、一キロ15円というのは厳しい話ですが、自賠責保険は画一的に処理するという目的がありますので、これをかえることはできません。
特にタクシー代に関しては、後々知らなかったでは済まされませんので、ご注意ください。