春野行政書士事務所の
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2022.3.10
任意保険と自賠責保険の違い
後遺障害異議申し立て手続き専門、行政書士の春野です。
今日は、任意保険と自賠責保険の違いについて書いてみます。
任意保険
任意保険とは、後述する自賠責の特徴である強制加入保険とは異なり、加入するかしないかはユーザーに任されている(任意)ため、そう呼ばれています。
自動車の任意保険を販売しているのは、代理店を通して契約する保険会社、共済系の会社、そしてテレビCMでおなじみのダイレクト系保険会社があります。
自賠責保険は、自分以外の誰かにケガをさせたときに使用できる保険で、かつ、その金額にも限度額があります。この自賠責保険でカバーできない種類の損害を埋め合わせるのは、任意保険しかありません。
例えば、
○相手のモノを壊してしまったことに対する損害(対物賠償保険)
○自分の運転ミスなどで、自分がケガをしてしまったことに対する補償(人身傷害保険、搭乗者傷害保険)
○自分の車の損害の補償(車両保険)
○相手に大ケガをさせてしまう等、自賠責の限度額以上の損害を与えてしまったとき(対人賠償保険)
この中でも、特に大事なのは、対物賠償保険と対人賠償保険です。
自分のハンドルさばきのミスで、損害を与えたとき、最低でも相手に十分な弁償を可能にするのがこの2つの保険だからです。どうしても、保険代を安くしたいというなら、この2つだけを選択すると良いでしょう。
自賠責保険
自賠責保険は、法律で加入が義務付けられている強制加入保険です。
戦後復興から立ち直った日本で、自動車が経済活動・日常生活に欠かせないものとなり、保有台数が飛躍的に増加しつつあった1955年から、自賠責保険の制度がスタートします。
自動車が増えると事故も増えます。そこで、他人にケガをさせたことに対する最低の賠償を実現するため、自賠責保険の法律である、自動車損害賠償保障法が定められたのです。
自賠責保険は、引受保険会社にとって、営利を追求するための商品ではありません。No loss No profit(損もなし利益もなし) という原則で運用されていることからも、社会政策の実現がその目的となっています。そして、その原則のため、毎年保険料の検討が行われ、調整が行われています。
傷害(入通院)・後遺障害・死亡
に対し、保険金が支払われます。
支払いの請求方法に大きな特徴があります。それは、
加害者(保険契約者)から請求できるのはもちろん、被害者(保険契約者ではない赤の他他人)からもできる!
ということです。これが被害者請求、という自賠責保険独自の請求方法です。
一方、任意保険は、加害者(保険契約者)が、保険使用を認めなければ使用することができません。その意味でも任意、です。理論上、加害者の一存で、任意保険を使用させないことも可能なわけです(では、なんのためにその加害者は任意保険に加入したのか、という議論は残りますが、次年度の保険料を上げたくないなどの理由から、そう主張される方もまれにいます)。
被害者になれば、加害者の了解など必要がなく、使用できることから、被害者に優しい保険であるとも言えます。
しかし、請求するためには、自ら保険請求に足る資料を揃えて、自賠責保険に提出することが必要です。任意保険のように「担当者」という概念はありません。請求したいのなら、自分で書類作成をする必要があるのです。
「自賠責への請求などよくわからない」方がほとんどです。
そこで、被害者ご本人に代わって、請求をするのが、行政書士ということになります。
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