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春野行政書士事務所の
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2022.4.26

整骨院・接骨院の施術は受けてもいい?

交通事故後遺障害異議申し立て専門、行政書士の春野です。

交通事故の被害者は、事故直後にまず病院やクリニックで、医師の検査や診察を受けます。

事故から少し時間が経過すると、リハビリをする必要がでてきます。整形外科のクリニックなどで、機械器具を使用したものに加え、理学療法士等によるリハビリが実施されることもあります。

では、国家資格である柔道整復師による治療である、整骨院や接骨院等での施術はどうなのでしょうか?

自賠責保険と整骨院

治療費が支払対象になるかどうかの基本的な考え方を知るためには、自賠責保険がその支払についてどう定めているか、に着目する必要があります。

自賠責の支払基準というものには、このように定められています。

施術費(整骨院や接骨院での治療は、「施術」と言います):必要かつ妥当な実費

そうです。必要かつ妥当であれば、整骨院での施術は認める、という意味です。特に何らかの要件が定めれておらず、妥当であれば認める、ということです。

ただし、脱臼や骨折した患部に施術を行うためには、医師の書面による同意が必要となります。

つまり、打撲や捻挫では、医師の同意も特に求められてはおらず、被害者自身の選択により施術を受けることができます。

しかし、整骨院や接骨院は、純粋な医療機関(保険医療機関)ではないので、その施術の必要性については、注意が必要です。

例えば、むち打ちの被害者が、初診で病院の治療を受けず(レントゲンすら撮影されず)、整骨院で施術を受けた場合を考えてみましょう。

あまりないケースかもしれませんが、自賠責には細かいルールが書かれていませんから、病院にすら行かなくとも、問題なさそうに思います。しかし、だからといって必要性や妥当性が無視されるわけではありません。

具体的に自賠責はどのように必要性を確認するのでしょうか?

基本的には、病院で診察されたのと同じケガに対しての施術であるかどうか、という点から、そうすると思われます。

診察や診断は、医師によるものしか認められていません。レントゲンを撮ったり、その他専門的な検査をするのも医師です。整骨院や接骨院の柔道整復師にはできないのです。

事故で負傷した方は、まず病院に行くのが普通で、検査をするのも診断をするのも病院です。そして治療も、病院やクリニックで受けるものだろうという考え方は保険の前提となっています。

肝心の整骨院・接骨院の施術は、あくまで補助的な治療としてなら認めますよ、という扱いになっているんですね。

そこで、医師が診察したお体の負傷部位に対する整骨院の施術であれば、原則支払うという扱いを自賠責はしている訳です。

そのため、ほとんどおられないとおもいますが、まずは、病院での治療を受け、その後に整骨院での施術を受けるかどうかを決定するのが良いです。

任意保険と整骨院

任意保険会社に、「整骨院での施術はお支払いできません」と言われた経験がある被害者の方がたくさんおられるかと思います。

かくいう私も、損保担当者時代にそのように説明していたこともありました。

でも、任意保険会社というのは、自賠責から自分たちが支払ったものは最後に返してもらうのだということ(一括払い)を知っておられたら、このような対応はとても不可思議ですよね。

これは、任意保険独自のルールと考えて良い、と思います。自賠責が最終的に支払うからといって、任意保険が全部認めなければならないということを意味する訳ではないため、独自ルールとして整骨院に対しては対応しないと言っているわけです。

独自ルールですので、運用は各任意保険会社によって様々です。病院の先生の同意があれば良い、とか、事故後ひと月後からは良いとか、一ヶ月だけだったら良いとか、本当に色々あります。

加害者の代理として支払をする以上、加害者としての考え方を主張することがあるということです。

結局、整骨院にいっていいんですか?

大前提として、治療は被害者本人が決めるもの。ご自身が必要であると感じておられるのであれば、それを選択するべきだと考えます。そして、その決断を、自賠責保険は尊重してくれることになっています。

病院での治療は全く効果がなかったが、整骨院での施術で改善した、という声は、大げさではなく沢山聞かれます。

もちろん、病院にも整骨院にも色々あり、十把一絡げに断定することはできませんが、馴染みの整骨院があり、技術を相当に磨かれている柔道整復師さんであるというのであれば、施術をうけてみるほうが良いと思います。

しかし、妥当性や必要性が後々になって保険会社に否定されないために、医師とも十分に意思疎通を図りながら、そして治療を病院でも受けながら、補助的に整骨院に通院するのがベストな方法といえるでしょう。

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