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2022.4.16

忙しくて病院に行けない?②

交通事故後遺障害異議申し立て専門、行政書士の春野です。

前回は、自賠責保険から考えましたが、今回は、任意保険からみた「忙しくて病院に行けない」を検討してみます。

任意保険からみた「忙しくて通院できない」

任意保険と自賠責保険の違いや一括払いについては、下記ご参照ください。


任意保険は、自賠責保険が支払うであろう部分を立て替え払いしているというかたちをとっています。

これを言い換えると、任意保険は、できるだけ自ら財布傷めないために、「自賠責保険が支払いそうにないものは、我々も支払わない」と、なります。

自賠責保険は、物理的な話として、仕事が忙しくていけない、という事情を考慮してくれることはほとんどありません。忙しかったことの証明をすることもそもそも難しいですよね。

任意保険が自賠責保険の判断に縛られることはないのですが、やはりここはどうすることもできません。

自賠責保険と同じように、いくらお仕事が忙しかったとしても、「診察を受けるのは事故から14日以内」、かつ「直近の治療から、次の治療まで30日以内」というルールは、任意保険も同じです。

では、もう一つの視点である、金銭的賠償は、どうでしょうか?痛みを我慢していたことを任意保険は考慮にいれてくれるのでしょうか?

自賠責保険は、治療を受けた回数でカウントするため、忙しくて通院できなかったという事実が考慮されることは、全くないということでした。

この点、任意保険は、考慮する可能性はゼロではありません。自賠責保険以上の支払いをするかもしれない、ということです。

ほんの気持ち程度の金額であれば、実際に通院した以上のものにしてくれることはあるかもしれません。しかし、大きなインパクトがあるような金額には到底及びません。あったとして、ほんの少しだけです。


忙しくても、通院を継続する方法

交通事故の損害賠償の項目の一つに、休業損害があります。通院のためにお仕事を休んだり、早退したときは、そのことを賠償するということです。

それが可能なら、そうするのが一番です。

でもそれができないなら、どうしたらいいでしょうか?
病院や整形外科クリニックの窓口受付時間が、午後7時であることも多いです。さすがに、会社員さんであれば、難しい方もおられると思います。

そんな場合は、近所にある整骨院や接骨院にて施術を受けることも一つです。可能なら、病院に通院し、補助的に整骨院を利用するということですね。

整骨院や接骨院は、病院やクリニックなどの純粋な医療機関ではありませんが、準医療機関として位置づけられています。比較的遅い時間まで、施術をしてもらえるところも多いはずです。

自賠責保険では、整骨院や接骨院への施術料の支払いは、基本的に行われます。

任意保険は、整骨院や接骨院への通院は認めないという態度を示すところも、若干ありますが、お仕事の事情を説明すれば、理解してくれるはずです。

肝心なのは、症状はあるのに忙しくていけないという状況をなんとかして打破することにあります。打撲や捻挫のケガによる賠償や弁償を受けるためには、現状の制度上、通院したという実績がなんとしても必要なのです

「症状があったけど、我慢してたのに…」は、損害賠償の現場では、ほとんど意味をなしません。

いくら忙しくても、症状が継続している間は、なんとか通院を継続する手段を考えていただければと思います。

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